回復インタビュー1人目(発症編)
ショウさんの体験
今回はパニック障害から回復された方のインタビュー1人目として、大手ソフトウェア開発会社プログラーマ―のショウさんからお話を伺ってきました。
ショウさん、ご協力を頂きありがとうございました。
ショウさんのプロフィール
年齢:28歳
発症時年齢:24歳
職業:プログラマー
発症に至った原因が思い当たらない
panicome:パニック障害を発症される前に、何か予兆はありましたか。僕は新聞の内容が頭に入らない、打合せ時に集中力が続かない状況が2週間程続いていました。
ショウさん:パニック発作が出る1ヵ月前から体調不良で、不安でご飯が食べられなくなりました。ストレスや過労等の明確な理由は思い当たらず、周囲の優秀な先輩と仕事をすことに焦りを感じていたかもしれません。
panicome:発症時は入社からどのくらい期間がたっていたんですか。転職や異動等、大きな環境の変化はありました。
ショウさん:入社後、約2年たっていました。新卒から同じ会社で働いていましたが、部署の異動はなく同じ部署で仕事をしていました。
ストレスや過労等の明確な理由は思い当たらず、周囲の優秀な先輩と仕事をする環境に焦りを感じていた時期かもしれません。
最初の診断ではパニック障害と診断されなかった
panicome:最初の発作はどういった状況でおこったんですか。
ショウさん:友人の結婚式です。元々人前に出るのが苦手だったんですが、余興を頼まれていて少し緊張していました。
途中で突然手足に痺れを感じ、全身にしびれが広がりました。手足や、腹筋・背筋、顔面の筋肉といった全身の硬直して動くことができませんでした。同時に過呼吸になり、強烈な死の恐怖に襲われました。
救急車で運ばれたんですが、全身が硬直していてベッドにうまく寝れませんでした。自分の状態を説明しようとしても、喉、唇、舌が痺れていてうまく話をすることができず全身にものすごい量の汗をかいていました。
panicome:病院ではパニック障害と診断されたんですか。
ショウさん:病院で診断を受けると、過呼吸と判断されました。とりあえず点滴を打って体調が戻るのを待っていましたが、2時間くらいして痺れがおさまり、歩けるようになったので、病院をあとにしました。
自分が精神疾患になるはずがない、認めたくない
ショウさん:帰っている途中、再度全身の痺れと過呼吸になって、二度目の救急車で病院へ運ばれました。
翌日別の病院で検査して、血液検査やレントゲンで調べるも異常はありませんでした。その翌日、近くの大学病院で検査をして、循環器科と内科で調べましたがこちらも異常がありませんでした。
panicome:パニック障害などの精神的な病気は疑いませんでしたか。
ショウさん:ひょっとすると、原因は精神的なものではないかと思っていました。でも「自分が精神病になるなんてない」と強く否定したい気持ちがあって。
数日休んで体調が回復したように思えたので、会社に行くことを決意しましたが、電車内でパニック発作をおこして倒れました。
「パニック障害かもしれない」という確信めいたものがありましたが、必死で無視をして、再度内科で検査をしましたが、異常がありませんでした。
最終的に発症から6日後に精神科に行きパニック障害と診断されました。
panicome:どうしてすぐに精神科に行かなかったんですか。
ショウさん:やっぱり偏見があって。自分が精神的な病気になったことが受け入れられなくて。診断された後は落胆しました。
panicome:確かにそうですよね。正直僕も自分がなる前は、そういう病気はメンタルが弱い人がなるもんだって思っていました。
僕は診断された時、ショックと共に不思議と安心感がありました。
発症編まとめ
ショウさんはパニック障害と診断を受けるまでに6日要していますが、原因は2つあるのかなと思いました。
1つ目は、お医者さんでも正確に症状を判断するのが難しいこと。
前回産業医の先生に伺いましたが、メンタルヘルスの症状は似通っていることが多く専門家でも判断が難しいようです。最初の診断に違和感があれば、他の病院でセカンドオピニオンをとるのもいいかと思います。
2つ目は、まさか自分がメンタルヘルスの病気になるわけがないと思っていること。
私見ですが、パニック障害になる人は真面目で責任感が強く、頑張り過ぎる傾向があるのかなって思います。自分でも体調の変化に気付かない、もしくは気付いても頑張っちゃう人が多いのではないでしょうか。
職場の同僚や家族、恋人や友人など周囲の方が異変に気づいたら病院に行くことを勧めてあげることで早期発見・早期回復に繋げられると思います。
次回は回復編です。
それでは。